「部下に嫌われたくなくて、注意できない」 「強く言うと関係が壊れそうで怖い」 「みんなに好かれようとしているのに、なぜかチームがうまくいかない」
部下に嫌われたくない、という気持ちは自然なことです。でも、嫌われたくないという気持ちが強すぎると、管理職として本当に大事なことができなくなります。
この記事では、部下に嫌われたくない管理職が知らないうちにやってしまっている失敗と、部下から「信頼される管理職」になるための考え方をお伝えします。
【この記事でわかること】
・嫌われたくない管理職がやりがちな3つの失敗
・「好かれる管理職」と「信頼される管理職」の決定的な違い
・部下から本当の信頼を得るための関わり方
「好かれる管理職」と「信頼される管理職」は違う
まず、大事な前提をお伝えします。
部下から「好かれること」と「信頼されること」は、違います。
好かれる管理職は、部下が話しやすく、居心地がいいと感じる存在です。でも好かれることを優先しすぎると、言うべきことが言えなくなります。
信頼される管理職は、時に耳の痛いことも言います。でも「この人は自分のことを本気で考えてくれている」と部下が感じる存在です。
部下が本当に求めているのは、「好きな上司」ではなく「信頼できる上司」です。
失敗①:注意できずに問題を放置する
「嫌われたくない」という気持ちから、問題のある行動を見て見ぬふりをする。
「まあいいか」「次はちゃんとやってくれるだろう」と放置し続ける。
この状態が続くと、2つの問題が起きます。
問題A:問題行動が強化される 注意されないことで、部下は「この行動は許されている」と認識します。問題行動が定着します。
問題B:周りの部下が不満を持つ 頑張っている部下から見ると、問題のある行動を放置している管理職は「不公平だ」と感じます。「なぜあの人だけ何も言われないのか」という不満が、チーム全体の士気を下げます。
正しい対応:「注意することが部下への投資」と理解する
注意することは、部下を傷つけることではありません。「あなたに成長してほしいから伝える」という投資です。
注意しない管理職は、部下の成長を諦めた管理職です。
失敗②:全員に同じ対応をしようとする
「えこひいきと思われたくない」「誰かだけ特別扱いしたくない」
この気持ちから、全員に全く同じ対応をしようとする。
でも部下は一人ひとり違います。経験値が違う、強みが違う、今抱えている課題が違う。全員に同じ対応をすることは、公平ではなく「画一的」です。
経験の浅い部下には手厚いサポートが必要。経験のある部下には任せることが成長につながる。この違いを無視すると、部下全員にとって最適でない対応になります。
正しい対応:「個別最適」を意識する
えこひいきと個別対応は違います。えこひいきは、同じ状況なのに特定の人だけ優遇すること。個別対応は、一人ひとりの状況に合わせた関わり方をすること。
「あなたには今こういう対応をしている。なぜなら〇〇だから」と理由を添えれば、部下も納得します。
失敗③:部下の意見を全部受け入れようとする
「嫌われたくない」という気持ちから、部下の要望や意見を全部受け入れようとする。
「残業を減らしてほしい」→すぐに対応する。 「この仕事はやりたくない」→別の仕事を探す。 「あの人と一緒に仕事したくない」→配置を変える。
全部の要望に応えようとすると、管理職がコントロールできないチームになります。また、「言えば何でも通る」という認識が生まれ、要望がエスカレートしていきます。
正しい対応:受け入れるものと受け入れないものを明確にする
全部受け入れる必要はありません。受け入れられないことは、理由を添えて明確に伝える。
「その要望はわかった。ただ、今の状況では対応が難しい。理由はこうだ。代わりにこういうことはできる」
断ることは、嫌われることではありません。理由を丁寧に説明して、代替案を示す。これが信頼される管理職の対応です。
部下が本当に求めているのは「正直な上司」
嫌われることを恐れている管理職に、一つ事実をお伝えします。
部下が最も信頼する上司は、「好きなことだけ言う上司」ではありません。
「耳の痛いことでも、自分のために正直に言ってくれる上司」です。
これは多くの研究でも示されていることですが、何より現場の声がそれを証明しています。「あの上司は厳しかったけど、本当のことを言ってくれた。今でも感謝している」という声は、どの職場でも聞きます。
好かれることを目指すのではなく、正直であることを目指す。これが、部下から長期的に信頼される管理職の在り方です。
「嫌われてもいい」と思う必要はない
ただし、誤解しないでほしいのは、「嫌われてもいい」という開き直りを勧めているわけではありません。
部下との関係を大切にしながら、言うべきことを言う。これが理想です。
言い方を工夫する、タイミングを選ぶ、受け止めてから伝える。こういった配慮は必要です。でも、配慮の結果として「言わない」を選ぶのは間違いです。
言い方を工夫しながら、言うべきことを言う。これが信頼される管理職の姿勢です。
まとめ
部下に嫌われたくない気持ちは自然です。でもその気持ちが強すぎると、注意できない、個別対応できない、断れない管理職になります。
部下が求めているのは「好かれる管理職」ではなく「信頼できる管理職」です。
まず一つ、放置していた問題に向き合ってみてください。言い方を工夫しながら、伝えるべきことを伝える。そこから、本当の信頼関係が始まります。
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